バネ製造用語

  • バネ設計で用いられる用語
  • 製造工程で用いられる用語

オーステンパ

鉄鋼製品の焼入れによる変形の発生や焼割れを防ぐとともに、強じん性を与える為に、AC3またはAC1点以上の適切な温度に加熱して、安定なオーステナイト組織にしたものを、変態を阻止して、そのままフェライト及びパーライト生成温度以下でマルテンサイト生成温度以上の適切な温度範囲に保持した冷却剤中に急冷し、その温度でベイナイトに変態させた後、室温まで冷却する処理。

【オーステンパのヒートパターン図】 オーステンパのヒートパターン図

検長器

接触型・非接触型の2種類がある。
ばねが巻き終り切断直前にセンサによって自由長を測定し、良品・不良品を選別する装置。また、測定データをピッチ制御機構にフィードバックして自由長を調整して良品率を高くする。

コイリング

コイルの加工工程を指す。線又は棒に指定の曲率曲げ及び指定のねじり率のねじりを与え、コイル状に成形する加工。

【コイリングマシン】 コイリングマシン

ショットピーニング

ショット(鋼球・セラミックビーズなど)をばね表面に高速で打ち付け、主として表面層に圧縮残留応力を発生させ、疲れ強さを向上させる加工。

ショットブラスト

ショット(鋼球・セラミックビーズなど)を遠心力、空気圧などを利用してばね表面に投射して、バリ・さびなどを除去するとともに表面層に圧縮残留応力を生じさせる加工。

【ショットブラスト機】 ショットブラスト機

スプリングバック

材料に力又はモーメントを加えて塑性域まで変形させた後除荷すると、材料のもつ弾性のために原形に戻ろうとする現象。
硬度硬く、板厚薄く、Rが大きいほどスプリングバックも大きくなる。

析出硬化処理

過飽和固溶体から炭化物、金属間化合物などの異相を析出させ、強度を高める熱処理。
ばね用材料ではSUS631(475℃×60分でNiとAlの化合物を析出)やベリリウム銅(315℃×120分でCuとBeの化合物を析出)などがある。

【析出硬化処理による材料比較】 析出硬化処理による材料比較

セッチング

ばねにあらかじめ使用される最大値を超える荷重またはトルクを加えて、ある程度の永久変形を生じさせ、ばねの弾性限を高め、耐ヘタリ性、耐久性を向上させる加工。

端面研削

主として、圧縮コイルばねの端面を研削する加工で、直角度を良くすることにより荷重の偏心、座屈などを防ぐことを目的に行われる。
密着長の減少、ばね端末による相手部品の損傷を防止するなどの目的もある。

低温焼きなまし(低温焼鈍)

内部応力の除去又は材料の弾性限、耐久、疲れ強さなどの諸特性の 改善及び形状の安定化を目的として行う低温加熱処理。

トーションマシン

ねじりコイルばねのコイル部と腕部を成形する機械。

バレル研磨

ばねを研磨材などと一緒に容器に入れて回転又は振動させることによって、ばり、スケールなどを除去する加工。

【回転バレル機】 回転バレル機

【振動バレル機】 振動バレル機

ブルーイング

スプリングの外観及び耐食性を改善するために、加熱によって表面に黄色または青色の酸化膜を生じさせる熱処理。
低温焼きなましと同じ目的の処理を示すこともある。

ベーキング

鋼に電気メッキ又は化成処理等を行うと鋼中に水素が侵入し水素脆化が起こる。
この脆化を取り除くためにメッキ後できるだけ早い時期にスプリングを200℃に加熱し、2~4時間保持して水素を追い出してばねのじん性を回復させる処理。

マルチフォーミングマシン

抜き工程・曲げ工程が別々になっている成形マシン。
線・板にこだわらず複雑な3次元曲げにも対応。
製品幅=材料幅での加工が可能で材料費削減できる。

【マルチフォーミングマシン】 マルチフォーミングマシン

無酸化炉

電気炉に窒素ガスと水素ガスを添加して、バネに酸化被膜を付けずに低温焼鈍を行う電気炉。後工程でメッキ処理があるバネや酸化被膜が付くことで抵抗値に影響がある製品などに有効。

焼入れ・焼戻し

鉄鋼製品をAC3又はAC1点以上の適切な温度に加熱後、適切な冷却剤で急冷(焼入れ)、ついで焼入れによるぜい性を改善し又は硬さを調整し、若しくはじん性を増すために、AC1以下の適切な温度に加熱した後、冷却する(焼戻し)処理。

【焼入れ・焼戻しのヒートパターン図】 焼入れ・焼戻しのヒートパターン図